新年にまず確認すべき「税務リスクの初期点検」
~税務調査を防ぐための5つの必須項目~
新年を迎え、「今年こそ内部体制を整えたい」「税務トラブルを減らしたい」と考える企業は多いでしょう。
しかし、税務対策は「課題が見えている企業」よりも、「何が問題か分からない企業」ほど危険です。
年明けの1月から3月は税務署が確定申告の対応に集中するため、税務調査はほとんど行われません。つまり、1月は税務リスクを見直し、体制を整えるのに最適なタイミングなんです。
そこで本記事では、1月に必ず確認すべき「税務リスク初期点検」をテーマに、企業がもっとも見落としやすい項目を実務的な視点から解説します。
ポイント①:売上計上の基準が統一されているか?
税務調査で最初にチェックされるのは、売上計上のタイミング(基準)です。
よくある売上計上の基準
- 請求書発行日
- 検収日
- 役務提供完了日
- 納品日
企業によって基準は異なりますが、複数の基準が混在している企業は非常に危険です。
【実例】あるシステム開発会社OO社のケース
OO社では、担当者Aさんは「納品日」、担当者Bさんは「検収日」で売上計上しており、基準が統一されていませんでした。1月の自己点検で気づかず、そのまま年度を過ごした結果、税務調査で「基準が不統一」と指摘され、3年分の売上計上タイミングを全てチェック。期ズレが複数発見され、約300万円の追徴課税となりました。
1月にやるべきこと
「今年の売上計上基準を社内で統一する」
1月は過去年度の反省を踏まえ、売上計上基準を文書化し、全社で統一するのに最適なタイミングです。
売上計上基準の文書化例
- BtoBビジネス:検収日で計上
- BtoCビジネス:役務提供完了日で計上
- 商品販売:納品日で計上
ポイント②:インボイス登録番号のチェック体制
インボイス制度が2023年10月に開始されて1年以上が経過しました。しかし実務では、以下のようなミスが非常に増えています。
よくあるミス
- 登録番号(T+13桁)の記載漏れ
- 旧番号のまま運用
- PDF保存の漏れ
- 登録番号の有効性を確認していない
【実例】ある小売業PP社のケース
PP社では、仕入先から受け取った請求書にインボイス登録番号があるか確認していませんでした。1月の自己点検でも気づかず、税務調査で約150万円分の仕入税額控除が否認されました。
1月にやるべきこと
毎月のインボイスチェック方法を再整備する
1月の経理体制見直し時期に、以下のチェック体制を確立しましょう。
チェック項目
- 領収書・請求書に登録番号があるか確認
- 国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で有効性を確認
- チェック担当者を明確化
- 月次でのチェックリスト作成
ポイント③:役員貸付金の繰越残高を”ゼロ”に戻せるか?
年末に膨らんだ役員勘定は、1月に整理しないと戻せなくなります。
役員勘定が膨らむ原因
- 個人カード利用の精算漏れ
- 会社カードでの私的支出
- 立替の精算遅れ
こうした小さな積み重ねが、後の税務調査で「賞与認定」「配当認定」につながることがあります。
【実例】ある建設業QQ社のケース
QQ社では社長が会社カードで個人の買い物を頻繁にしており、年末に役員貸付金が800万円まで膨らんでいました。1月に気づいたものの返済せず、税務調査で「返済の実態がない」として全額が役員賞与と認定。約300万円の追徴課税となりました。
1月にやるべきこと
役員貸付金を年度内に返済する
1月は”役員勘定リセット月間”として運用する企業も多く、非常に有効です。
対策
- 役員貸付金の残高を確認
- 返済計画の作成
- 金銭消費貸借契約書の整備
- 適正な利率(年0.9%以上)での利息計上
- 理想は1月中にゼロにすること
ポイント④:経費区分の判断基準の見直し
1月は年間の経費傾向を分析できるタイミングです。
特に見直すべき経費
忘年会 → 福利厚生費の適用条件
- 全従業員対象か?
- 一部の部署や役員だけではないか?
得意先への贈答 → 交際費/広告費の線引き
- お歳暮は交際費
- 不特定多数への配布は広告宣伝費
会食 → 会議費とする要件
- 1人あたり5,000円以下
- 飲酒なし
- 全員が業務関係者
【実例】ある広告代理店RR社のケース
RR社は12月の忘年会費用を全て「福利厚生費」で処理しましたが、実際には営業部の一部社員のみが対象でした。1月の見直しで気づかず、税務調査で「全従業員対象ではない」として否認され、約100万円の追徴課税となりました。
1月にやるべきこと
年末の取引が多いほど、1月に経費区分のミスが見えてきます。曖昧な区分のまま新年を迎えると、1年間同じミスを続けることになります。
経費区分ルールの文書化例
- 交際費:1人あたり5,000円超、または飲酒を伴う食事
- 会議費:1人あたり5,000円以下、飲酒なし、業務目的
- 福利厚生費:全従業員対象、社会通念上妥当な金額
ポイント⑤:証憑保存の”抜け漏れ”を発見できる仕組み
電子帳簿保存法により、証憑(請求書・領収書)保存は企業の最大の弱点になりました。
よくある問題
- フォルダ構成が担当者の私的ルール
- 命名規則が統一されていない
- PDF化のルールが曖昧
- 月次でのチェック担当者が不在
【実例】あるコンサルティング会社SS社のケース
SS社では領収書の保存方法が担当者によってバラバラでした。1月の見直しでも放置し、税務調査で電子データの保存要件を満たしていないことが発覚。約80万円分の経費が否認されました。
1月にやるべきこと
証憑保存のルールを再設定する
1月は、以下を再設定する絶好の時期です。
整備すべき項目
- フォルダ構成の統一
- 命名規則の統一(例:20250115_株式会社○○_請求書.pdf)
- PDF化のルール明確化
- 月次でのチェック担当者の設定
- 事務処理規程の見直し
税務リスクの初期点検に不安がある経営者の方へ
「1月のチェックポイントは理解したけど、自社の現状がどうなのか不安…」 「売上計上基準や経費区分が本当に適切か、専門家にチェックしてほしい…」 「役員貸付金があるけど、どう解消すればいいかわからない…」
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- 売上計上・経費区分の統一ルール作成支援
- 役員勘定の適正化アドバイス
- インボイス制度への対応状況チェック
- 電子帳簿保存法への対応支援
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企業が税務調査の対象となる確率は約4%ですが、1月に税務リスクを点検しておけば、その1年間、税務が安定します。
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まとめ:1月に点検する企業は”税務調査に強くなる”
税務リスクは、年度途中で慌てても改善が追いつきません。逆に、1月に基準を統一した企業はその1年間、税務が安定します。
1月に点検すべき5つの項目
- 売上計上基準の統一
- インボイス登録番号のチェック体制
- 役員貸付金の繰越残高
- 経費区分の判断基準
- 証憑保存の抜け漏れ
この5つを「新年の初期点検」として整備することが、もっとも効率的な税務リスク削減策です。
【今日からできるアクション】
- 売上計上基準を文書化し、全社で統一する
- インボイス登録番号のチェックリストを作成する
- 役員貸付金の残高を確認し、返済計画を立てる
- 12月の経費を見直し、区分ルールを明確化する
- 税務調査あんしん対策パックで専門家のサポートを受ける
これらを実践することで、あなたの会社は確実に「税務調査に強い企業」になります。