“税務の丸投げ”は企業のリスク

~税理士に任せきりの会社が陥る5つの落とし穴~

「税理士に任せているから大丈夫」——そう考える企業は少なくありません。

しかし、税務調査で追徴される企業の多くが、「税理士に丸投げしていた会社」なのをご存じでしょうか?

税理士に丸投げすることには、コストの増加や経営状況の把握不足といった問題が生じることがあります。さらに、税理士に全てを丸投げにしてしまうと、経営者が自分で試算表を読む力を養うことができません。

本記事では、税務を税理士任せにすることで起こる重大リスクを、実務的な視点と実例を交えて解説します。

落とし穴①:売上計上は”現場でしか分からない”

税理士は現場にいません。

税理士が判断できない情報

  • 案件の完了日
  • 検収日
  • 納品状況
  • サービス提供の実態

これらは税理士には判断できません。つまり、売上計上の誤りは「企業側の情報不足」が原因です。

丸投げ企業ほど売上のズレが多く、調査で深掘りされます。

【実例】ある製造業TT社のケース

TT社は税理士に経理を完全に丸投げしていました。税理士は企業から提供された請求書データをもとに売上を計上していましたが、実際には12月に納品が完了していたにもかかわらず、請求書の発行が1月にずれ込んだ案件が複数ありました。

税務調査で「実質的に12月に取引は完了している」と指摘され、期ズレとして修正申告を求められました。追徴税額は約250万円でした。

対策

売上計上の基準を社内で明文化し、税理士と共有しましょう。

企業側がやるべきこと

  • 納品日・検収日の記録
  • 売上計上基準の文書化
  • 月次での売上確認
  • 税理士への情報提供

落とし穴②:経費の用途説明が不十分

経費の「実態」を説明できるのは企業側です。

税理士が把握できない情報

  • 誰が参加したか
  • 何を目的としたか
  • どの事業に関連したか

税理士は領収書を見て仕訳を行いますが、用途の詳細まではわかりません。

用途説明が曖昧な企業は、税務調査で否認リスクが高まります。

【実例】ある不動産会社UU社のケース

UU社は税理士に経理を丸投げし、領収書だけを送っていました。税務調査で交際費の内容を確認されると、「お品代」としか書かれていない領収書が多数あり、用途が不明でした。

調査官は「業務関連性が不明」として、約120万円分の交際費を否認しました。

対策

領収書に必ず以下を記載する

  • 用途(何のための支出か)
  • 参加者(誰が参加したか)
  • 業務との関連性

落とし穴③:役員勘定は税理士では止められない

役員貸付金・借入金は「社長の日常の支払い」が原因のため、税理士が管理することは不可能です。

丸投げ企業ほど役員勘定が膨らみ、税務調査で必ず指摘されます。

【実例】ある飲食業VV社のケース

VV社は税理士に経理を丸投げしていましたが、社長が会社カードで個人の買い物を頻繁にしていました。税理士は月次で役員貸付金の残高を報告していましたが、社長は「後で返済する」と放置。

3年間で役員貸付金が1,000万円まで膨らみ、税務調査で全額が役員賞与と認定。約400万円の追徴課税となりました。

対策

役員勘定の管理を月次化する

  • 月次で残高を確認
  • 発生したらすぐに理由を把握
  • 返済計画の作成
  • 私的支出の禁止

1月は役員勘定を整理する最良のタイミングです。

落とし穴④:契約書・成果物の確認は企業にしかできない

外注費・コンサル費・広告費は、成果物があるかどうかが最重要です。

税理士が確認できない情報

  • 実際に納品されたか
  • 作業が行われたか
  • 契約に従ったのか

税理士は請求書を見て仕訳を行いますが、実態までは確認できません。

書類が曖昧だと、すべて否認されるケースもあります。

【実例】あるIT企業WW社のケース

WW社は外注先に月額50万円を支払っていましたが、契約書も成果物の記録もありませんでした。税理士は請求書をもとに仕訳を行っていましたが、税務調査で「実態のない外注費」として2年分、約1,200万円が否認され、追徴税額は約400万円に達しました。

対策

契約書と成果物をセットで保存する

  • 契約書(業務内容、報酬、期間)
  • 成果物
  • 作業報告書
  • 請求書との整合性確認

落とし穴⑤:税理士の質を判断できなくなる

丸投げ企業ほど、以下の問題に気づけません。

よくある問題

  • 節税案が提案されない
  • 誤処理に気づかない
  • 申告書の内容を理解していない
  • 税務調査対策が不十分

税理士に業務を全面的に任せることには、依存度が高まり、経営者や事業主の自立性が下がるリスクが伴います。

最終的に損をするのは企業側です。

【実例】ある小売業XX社のケース

XX社は10年間同じ税理士に丸投げしていましたが、節税提案は一切ありませんでした。ある日、知人の経営者から「中小企業投資促進税制を使っていないの?」と言われ、税理士に確認したところ、制度自体を知りませんでした。

過去3年分で約300万円の節税機会を逃していたことが判明しました。

対策

税理士と毎月ミーティングを行う

丸投げではなく「共同運用」へ切り替えましょう。

ミーティングの内容

  • 月次の試算表の確認
  • 経営課題の共有
  • 節税提案の確認
  • 税務リスクの洗い出し

企業が丸投げを脱するためにやるべき5つのこと

【1】売上計上の基準を社内で明文化

税理士に任せる部分と現場で判断する部分を明確にしましょう。

文書化例

  • 商品販売:納品日で計上
  • サービス提供:役務提供完了日で計上
  • 工事契約:検収日で計上

【2】経費の用途説明を徹底

記載すべき情報

  • 会食:参加者、目的、業務との関連性
  • 贈答:贈答先、目的
  • 福利厚生:全従業員対象であることの確認

【3】役員勘定の管理を月次化

1月は役員勘定を整理する最良のタイミングです。

【4】契約書と成果物のセット保存

外注費・広告費は必須です。

【5】税理士と毎月ミーティング

丸投げではなく「共同運用」へ切り替えましょう。

税務の丸投げリスクに不安がある経営者の方へ

「税理士に丸投げしているけど、本当に大丈夫か不安…」 「売上計上や経費処理が適切か、専門家にチェックしてほしい…」 「税理士とのコミュニケーションをどう改善すればいいかわからない…」

そんな経営者の方におすすめなのが、CROSSROAD税理士事務所の「税務調査あんしん対策パック」です。

サービスの内容

このサービスは、企業の税務状況を徹底調査・改善し、今後に向けての対策を3か月かけて実施するものです。

具体的な内容

  • 現状の税務処理の問題点を洗い出し
  • 売上計上・経費区分の統一ルール作成支援
  • 役員勘定の適正化アドバイス
  • 税理士とのコミュニケーション改善サポート
  • セカンドオピニオンとしての税務チェック

企業が税務調査の対象となる確率は約4%ですが、税理士に丸投げしている企業ほど、情報不足により税務リスクが高まります。

税務調査あんしん対策パックは、まさに税務調査への対策であり、保険であり、ワクチンです

詳しくは以下のURLをご覧ください。 https://zeimuanshin.cr-tax.jp/

まとめ:税務は丸投げした瞬間にリスクが生まれる

税理士は企業のパートナーですが、企業の内部事情をすべて把握できるわけではありません。

丸投げは企業のリスクを増幅させます。

逆に、企業側が最低限の情報提供をするだけで、税務品質は劇的に向上します

税務の丸投げで陥る5つの落とし穴

  1. 売上計上は現場でしか分からない
  2. 経費の用途説明が不十分
  3. 役員勘定は税理士では止められない
  4. 契約書・成果物の確認は企業にしかできない
  5. 税理士の質を判断できなくなる

【今日からできるアクション】

  1. 売上計上基準を社内で明文化し、税理士と共有する
  2. 領収書に用途・参加者を必ず記載するルールを作る
  3. 役員貸付金の残高を月次で確認する
  4. 外注費の契約書と成果物を整理する
  5. 税務調査あんしん対策パックでセカンドオピニオンを受ける

これらを実践することで、あなたの会社は「税理士と適切に協力できる企業」になります。

税務は税理士だけの仕事ではなく、企業と税理士が共同で取り組むものです。丸投げを脱却し、健全な協力関係を築きましょう。