税務調査官が”最終的に判断するポイント”

~企業の信頼性はどこで決まるのか?~

税務調査官が最終的に下す判断——それは、「この会社は信頼できるか?」という点です。

信頼できる企業は調査が軽く、疑わしい企業ほど深掘りされます。

税務調査官も目標件数があり、評価制度の中で働いているため、増差(追徴税額)を発見することが評価につながります。しかし同時に、経営者と同じように「税務調査を短期間でスピーディーに終えたい」という願いも持っているんです。

では、企業の信頼性はどこで決まるのか?本記事では、税務調査官が最終的に判断する5つのポイントを、実務的な視点から解説します。


ポイント①:説明の一貫性

経営者と担当者の説明が一致している企業は、調査官にとって「整った会社」です。

矛盾がある企業は必ず深掘りされます。

【実例】あるWeb制作会社Q社のケース

Q社の税務調査で、調査官が「売上計上の基準は?」と質問したところ、社長は「納品時」と答えましたが、経理担当者は「検収時」と異なる回答をしました。

調査官は「説明が一致していない。実態が把握されていないのでは?」と判断し、通常2日の調査が5日に延長。過去3年分の売上計上タイミングを全てチェックされ、期ズレが複数発見され、約280万円の追徴課税となりました。

対策

想定問答集の作成と共有

事前に以下のような質問への回答を、経営者と経理担当者で統一しておきましょう。

  • Q:売上はいつ計上していますか?
  • Q:交際費と会議費の区分基準は?
  • Q:役員貸付金の発生理由は?
  • Q:外注費の成果物はありますか?

ポイント②:書類の整合性

契約書・請求書・成果物・支払記録の整合性が取れている企業は非常に強いです。

【実例】あるコンサルティング会社R社のケース

R社は外注費の管理を徹底していました。

  • 契約書:業務内容、期間、報酬が明記
  • 請求書:契約内容と一致
  • 成果物:レポートとデータが整理
  • 支払記録:銀行振込の証拠

調査官が「外注費を確認させてください」と言うと、すぐに全ての資料を提示。調査官は「完璧ですね」と納得し、外注費の確認はわずか15分で終了しました。

対策

4点セットの徹底管理

  1. 契約書(期間、内容、金額、成果物の範囲)
  2. 請求書(契約内容との整合性)
  3. 成果物(納品データ、作業報告書、提出物)
  4. 支払実績(銀行口座からの支払記録)

ポイント③:売上計上基準の明文化

調査官は「売上の計上が整っている企業」を高く評価します。

売上計上は税務調査の最大の論点であり、税務調査官が真実に迫るために最も重視する項目の一つです。

【実例】ある建設業S社のケース

S社は税務調査前に「売上計上基準書」を作成していました。

【売上計上基準】
1. 商品販売:納品日
2. 工事契約:検収日
3. 保守契約:役務提供期間に按分

【適用開始日】2026年1月1日
【承認者】代表取締役

調査官にこの資料を提示したところ、「明確で問題ない」と判断され、売上関連の確認はわずか20分で終了しました。

対策

売上計上基準を文書化し、全社で統一しましょう。


ポイント④:役員勘定がゼロに近い

税務署が最も疑う項目です。ここが整理されている企業は信頼されます。

役員貸付金は、決算書にあるだけでマイナス評価になり、理想的な残高は0円です。

【実例】ある製造業T社のケース

T社は役員貸付金が600万円ありました。調査官が「これは何ですか?」と質問したところ、社長は「いつの間にか増えていて…よくわかりません」と曖昧に回答。

調査官は「経営者のガバナンスが不足している」と判断し、過去3年分の役員関連の支出を全てチェック。私的支出が複数見つかり、約200万円の追徴課税となりました。

対策

  • 役員貸付金は年内にゼロにする
  • 金銭消費貸借契約書の作成
  • 適正な利率(年0.9%以上)での利息計上
  • 明確な返済スケジュールの設定
  • 月次での残高確認

ポイント⑤:内部統制が存在する

ルールがある企業は、調査官の印象が格段に良くなります。

内部統制とは、業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全という4つの目的を達成するための仕組みです。

【実例】あるIT企業U社のケース

U社には以下の内部統制が整備されていました。

  • 承認フロー:担当者 → 管理責任者 → 社長
  • 証憑保存ルール:フォルダ構成と命名規則を統一
  • 売上計上基準:明文化して全社共有
  • 業務分担:起票と承認を別の人が担当

税務調査で調査官が「内部統制は?」と質問したところ、すぐに規程集を提示。調査官は「しっかり整備されていますね」と評価し、通常2日の調査が1日半で終了しました。

対策

最低限、以下の内部統制を整備しましょう。

  1. 承認フロー:3段階制(担当者 → 管理者 → 社長)
  2. 証憑保存ルール:フォルダ構成と命名規則の統一
  3. 売上計上基準:明文化して全社共有
  4. 業務分担:起票と承認を別の人が担当

企業の信頼性向上に不安がある経営者の方へ

「自社の信頼性がどうなのか不安…」 「説明の一貫性や書類の整合性が取れているか心配…」 「内部統制を整備したいけど、何から始めればいいかわからない…」

そんな経営者の方におすすめなのが、CROSSROAD税理士事務所の「税務調査あんしん対策パック」です。

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  • 想定問答集の作成支援
  • 売上計上基準の文書化支援
  • 役員勘定の適正化アドバイス
  • 内部統制の整備サポート
  • 税務調査対応のシミュレーション

企業が税務調査の対象となる確率は約4%ですが、信頼性の高い企業ほど、調査は短時間でスムーズに終了します。

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まとめ:信頼される企業は”作れる”

信頼は数字だけでは決まりません。

  • 説明の一貫性
  • 書類の整合性
  • 売上計上基準の明文化
  • 役員勘定の整理
  • 内部統制の整備

1月はこれらを整える絶好の機会です。信頼される企業は、税務調査に強い企業です。

企業の信頼性を決める5つのポイント

  1. 説明の一貫性
  2. 書類の整合性
  3. 売上計上基準の明文化
  4. 役員勘定がゼロに近い
  5. 内部統制が存在する

【今日からできるアクション】

  1. 想定問答集を作成し、経営者と経理担当者で回答を統一する
  2. 契約書・請求書・成果物・支払記録の整合性を確認する
  3. 売上計上基準を文書化する
  4. 役員貸付金の残高を確認し、返済計画を立てる
  5. 税務調査あんしん対策パックで専門家のサポートを受ける

これらを実践することで、あなたの会社は確実に「税務調査に強い企業」になります。