みちくさ⑦ 税務調査対象の決め方

税務調査の今昔物語③

税務調査の対象となる企業は?

財務諸表からの分析によるものが多いが、そこに様々な情報を併せて調査対象法人を選定することになります。
以前は申告書から主要科目の推移、分析を実際に記述して判断していったものですが、現在は基本的にはコンピューターシステムに読み込ませPCが分析しています。そのため、同業種の全国平均値などから調査対象をピックアップし、最後は人の目によって決められています。

業種からの判断として、不正計算が目立つ業種、時代に即した業種などがあります。不正が多いと業種となると何十年も前であればパチンコ、風俗業界などでしたが、昨今は不動産業、建設業などとなります。
また、時代背景からみると、オリンッピク関連、災害関係などがあり、また、時代の潮流から、暗号資産、ドローン事業関連などがあります。
今年はどのような業種を重点的に調査するのでしょうか。

一概に、黒字だから調査するとか、赤字は調査しないというものではないものの、その見極めを申告書の内容等から読み取ることが大切となります。

時々、今年は調査があるでしょうか、などと聞かれますが、正直に言ってしまえばわかりません。
現実、ずっと黒字の法人であっても、10年以上も調査のないところもあります。逆に内容から見て調査はないと思っていても、調査になることもあります。
なぜなら、当局側さらに担当者によって判断するため、ラッキー、アンラッキーの部分があるからです。