顧問税理士だけで本当に大丈夫?セカンドオピニオンの必要性と導入のすすめ
はじめに
税理士と顧問契約を結んでいる中小企業の経営者の中には、
「この処理、本当に正しいのだろうか?」
「税務調査で問題にならないか、誰か第三者に聞いてみたい」
と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
そこで注目されているのが「税務のセカンドオピニオン」。
医療の世界では常識となったこの概念は、近年、税務の世界にも広がりを見せています。
セカンドオピニオンとは何か?
「セカンドオピニオン」とは、現在の顧問税理士とは別の税理士に意見を求める行為を指します。
特定の税務判断や処理方法について、複数の視点から検証・確認することを目的として活用されています。
誤解されやすいですが、「顧問税理士のミス探し」が目的ではありません。
むしろ、企業にとってはリスクの事前察知や判断の補強材料として活用できる、重要な手段なのです。
なぜ今、セカンドオピニオンが必要なのか?
① 税制の複雑化と法改正の頻度増加
特にインボイス制度や電子帳簿保存法、外国子会社配当非課税制度など、
最新制度への対応を誤ると、税務調査で思わぬ指摘を受けることがあります。
② 顧問税理士との距離感
長年の付き合いがある税理士であっても、業界特有の処理や新規事業のリスクなどには必ずしも詳しいとは限りません。
経営者の中には「こっちの分野はいつでも相談できるけれど、この分野に限っては相談しづらい」「この分野のことだけは聞いても断言してくれない」と感じていることもあるようです。
③ 税務調査の実務対応
税務調査では、調査官の質問の意図を理解し、的確に応える力が求められます。
調査前・調査中・調査後の各フェーズで、セカンドオピニオンは「第2の知恵袋」として非常に効果的です。
では具体的に、顧問契約とどう違うのか?
項目 | 顧問税理士 | セカンドオピニオン |
---|---|---|
月次顧問 | ○ | × |
決算・申告 | ○ | ×(アドバイスのみ) |
税務判断の検証 | △ | ◎ |
税務調査の戦略アドバイス | △ | ◎ |
特殊論点の相談 | △ | ○〜◎ |
セカンドオピニオン契約は「サポート特化型」のスポット契約、またはサブ顧問契約です。
顧問税理士と競合するものではなく、むしろ相互補完関係にあります。
活用シーンベスト5
- 税務調査の事前準備(帳簿・交際費・仮払金等の見直し)
- 特殊処理の確認(出資、役員報酬、借入金、M&Aなど)
- 顧問税理士の判断に自信が持てないとき
- 税務否認リスクの事前診断(節税策や業種特有の論点)
- 税務署との交渉方針を見直したいとき(調査後も含む)
セカンドオピニオン導入の流れ
- 【無料相談】対象論点のヒアリング(30分程度)
- 【契約(スポット/顧問)内容の決定】必要に応じて最小限から可能
- 【意見書/診断書提出】書面対応または立会対応(希望制)
当事務所では、顧問税理士と併用する前提でのセカンドオピニオンサービスをご提供しています。
「まずは話だけでも聞きたい」という方も、お気軽にお問い合わせください。
おわりに
税務の判断は、時に会社の命運を分けます。
その判断が正しいかどうかを確認する手段として、セカンドオピニオンは今後ますます重要になります。
顧問税理士がいるからこそ、第三者の視点が価値を持つのです。